自分が機械になった気分

センター試験の試験監督って、なかなか「つらい」のですな。


受験生には、必要最低限の「指示」をするのです。
タイムテーブルが定められ、そこここで「指示」する「せりふ」も決まっています。

と、書きました。
これね、裏を返すと、毎時間、同じ事を話さないといけない、ということなんですな~

最初の職場では、1時間ごとに試験監督が割り当てられました。
試験会場に入るのは、1回だけ、なんですな。
そうすると、「せりふ」も1回だけ話せばよかった訳です。
もちろん、受験生たちは、

このおっさんも同じ事はなしとる

とは、思うでしょうけど、ね。

前の職場と、今の職場では、1日、試験監督なんですな~
1日中、毎時間、同じ事を話し続けるのですよん。
まるで、自分が、お話し機械になったみたい。
当然、受験生たちも、

このおっさん、同じ事はなしとる

と、なる訳でして…
さらに、は。

毎回毎回、同じ事はなしやがって

そんなこと、わかっとるわいっ

なんてことにねなるのですな~

それは、試験監督してても、同じ事。
昼過ぎには、受験生の顔もなんとなく見慣れてきましてね。

なんで、わたしは、同じ事話してんだろ~

あー、恥ずかしぃぃぃ

なんて、思うのですな~


試験監督・監督補助者の仕事の1つに、「受験票の確認」というのがあるのですな。
受験生たちが持ってきている受験票と、手元にある控えが、同じものかどうか、つまり、受験票を提出した本人がそこに来ているのかどうか、確認するのです。
ま、替え玉受験、てぇのが無い訳ではない。

若い男性助手のみなさまたちは、女子高生が多いと、この「受験票の確認」をうれしそうにやってました。

でもね。
受験票に貼ってある写真と、受験会場にいる受験生と、顔が違う~、という場合もあるのですよん。
何しろ、数ヶ月前に撮影された写真です。
髪の毛を切るだけで、別人に見えてしまう。
マスクをしてると、顔の半分が見えない。
コンタクトで撮影して、当日は眼鏡、とか。

で、また、この「受験票の確認」作業も、毎時間、やるのですな~

だから、受験生たちの顔、なんとなく覚えちゃうのです。
全くの他人、では、なくなるのですな~

そのような、半分知ってる状態で、「同じ事をはなす」と、とても、恥ずかしいのです…

同じ事を話す「お話し機械」になったはずなのに、「感情」に左右されてしまう。
ま、機械にはなれないのです。
当たり前ですけど。